「とうじそば」は、松本市奈川村発祥の郷土料理で、「投げる汁」と書いて「投汁(とうじ)」と読み、そばをつゆにひたしたり、温めたりする意味があり、おもてなし料理です。
今回は家族で「そば処 ちゅうじ」さんに行ってきました。
北アルプスは乗鞍岳ふもと・長野県松本市奈川(ながわ)に伝わる「とうじそば」。香り高い地元産そばを、竹で編んだ小さな「とうじかご」に入れて鍋に投入し、具だくさんの汁にくぐらせる食べ方が独特のそばです。
かつてお米が採れない寒村では、そばが代用食でした。お客様が来たときなど、鍋に山で採れたキノコや鳥獣の肉を入れて出汁を取り、そこに茹でたお蕎麦をとうじ籠というラクロスのスティックを小型にしたような柄の付いたザルに入れて、出汁で暖め、お椀に入れて勧めたそうです。
奈川は稲作に不向きな寒冷地のうえ、平坦な土地も少なく、そばは数少ない貴重な農作物でした。そうした環境の中、手打ちそばを寒い時期でもおいしく食べようと生まれたのが「とうじそば」です。
温まったそばをお椀に盛って汁と具をかけ、お好みで七味やわさび、ねぎなどの薬味を入れていただきます。香り高いそばを、竹製のかごに入れ、それを煮立った鍋に投入してアツアツにして食べる。
「とうじそば」の深い味わいの秘密はまず、つゆの美味しさです。山で採れた山菜、とりわけたくさんの雑キノコからは想像を超える旨みが出て、これに鶏やカモなどの旨みがオンされます。
本来はその家の奥様などが、わんこ蕎麦のような状態で、客人が食べたら間髪を入れずにドンドン蕎麦を食べさせることで、お腹いっぱいにさせる料理だったようです。
その郷土料理をもう少し洗練させたのが、現在のとうじそばです。「そば処ちょうじ」さんでは鰹出汁に鴨肉、キノコ、油揚げ、刻みネギを入れたお鍋で、そばをとうじています。
とうじそばの美味しいつゆが残りますので最後はオジヤにして,,,,
妻も3歳のチビも大満足でした!
【そば処 ちゅうじ】長野県松本市奈川3740 ☎0263-79-2041